場所
アメリカ合衆国、ニューヨーク州。
背景
「ニューヨーク市」が「ブルックリン市」を統合することを狙って建議された。統合後のニューヨーク「市」の人口規模は、ニューヨーク「州」の大半を占めることになり、ニューヨーク「市」の意見や発言がニューヨーク「州」の意見や発言を強く大きく左右することも射程に捉えられた。
なお現代の「ニューヨーク州」における「ニューヨーク市」の割合は約40%にまで下がっており、この120年前のような寡占状態にはない。
ブルックリンと一緒に併呑されるロングアイランド市などにも開発が進展する、というのが「拡大・統合」派の掲げたメリットだったが、ブルックリン等の郊外エリアの住民は半数以上が当初は反対を表明したが、財政・行政のメリットを訴求した運動が奏功し、投票時点ではほぼ同数(わずかに統合賛成が多い)まで推移した。
報道
当時のニューヨークタイムズ紙が、新年に開かれた新ニューヨーク市の誕生を以下のように報じている。
The flag of Greater New York was officially unfurled over the New York City Hall at midnight by a touch of a button by the Mayor of San Francisco, 3,700 miles away, and the second city of the world came into existence.
深夜、3700マイル離れたサンフランシスコ市の市長によるボタン操作によって、ニューヨーク市庁舎には拡大ニューヨーク市の旗が正式に掲揚され、ここに世界第二の規模の年が誕生したことを告げた。
The New York Times, January 1, 1898.
よもやま
この「拡大ニューヨーク市」の誕生を祝った市庁舎は、現在アメリカ合衆国で運用されている市庁舎としては最も古く、1811年に開庁された建築物である。
現在は、この歴史的建造物の隣にそびえ立つ1914年建設の新庁舎(Manhattan Municipal Building)と合わせた全体が「市庁舎」の扱いとなっている。
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