軍艦巻き:Gunkanmaki; battleship roll

今日の和食
Gunkanmaki; battleship roll

Loose toppings that can easily topple down are served on top of sushi rice wrapped with slightly toasted seaweed in a style known as gunkanmaki because it looks like a gunkan, battleship, seen from the side.

「和食の英語表現事典」亀田尚己・青柳由紀江・J.M.クリスチャンセン 著

逐語訳

横から見ると戦艦つまり「軍艦」のように見えることから「軍艦巻き」と呼ばれることで知られる様式においては、軽く焼かれた海藻でくるまれた寿司飯の上に、容易に崩れ落ちてしまうような緩い具材が乗せられています。

具材に関する英語表現

ウニ:UNI; sea urchin

The orange or golden colored UNI, which can be eaten, is actually its gonads. As soon as you place it in your mouth, a heavy sweetness and aroma spreads throughout the mouth.

同書

逐語訳

オレンジ色もしくは金色の”ウニ”、つまり”ウニ”の食用部分は、実際にはウニの生殖腺です。それを口に入れるやいなや、重厚な甘さと香りが口中に広がります。

イクラ:IKURA; ikura salmon roe

‘Ikra’ actually means fish eggs in Russian. In Japan, however, it is salmon roe marinated with sake and soy sauce after each egg is carefully separated.

逐語訳

「イクラ(ikra)」はロシア語で魚卵を意味します。日本では、しかし、サケの卵を注意深く一つ一つほぐした上で日本酒と醤油で漬けたもののことを指します。

記事の着想

この記事は丸善出版「和食の英語表現事典」から着想を得た。

食道楽の観光旅行者を案内する通訳案内士としては必携の一冊。

今日のグラフィック

以前の記事で利用していたAdobe Fireflyに代えて、今号はDALL-E 3に以下のプロンプトを与えて導いた。

軍艦巻き gunkanmaki; battleship roll
Loose toppings that can easily topple down are served on top of sushi rice wrapped with slightly toasted seaweed in a style known as gunkanmaki because it looks like a gunkan, battleship, seen from the side. アスペクト比16:9

では同じプロンプトをAdobe Fireflyに与えてみたら、どんな画像が導けるだろうか。

Adobe Fireflyも試してみた

しかし得られた結果は以下のようなものだった(Adobe Fireflyでは一回の生成で4画像が提供される)。

与えられたプロンプトを解釈する能力に開きがある、というよりは、与えるべきプロンプトの様式に違いがある?のかもしれない。

別プロンプトで再チャレンジ

そこで、以下のように少しプロンプトを親切にしてみた。

軍艦巻き、つまり海苔で巻かれた寿司の一種。横から見ると戦艦のように見える。その上にイクラやウニなど軟らかくて崩れやすい具材が乗せられている。

これを受けてのAdobe Fireflyの結果はこちら。

どうにか「軍艦巻き」形態を獲得できた。

しかし「横から見ると戦艦のように見える」を再現することは諦めたらしい。合理的な判断だろう。

具材の崩れやすさは頑張って表現したらしい。いかにも危うい。海苔のエッジからこぼれそうな感じを幾粒かずつ添えていて丁寧な仕事だ。

一枚目の黒ゴマは要らなかったかなぁ。二枚目が画面右奥に大量のワサビらしき緑の物体を描いていて不穏。ウニは造形が難しすぎたか、聞こえなかったことにされてしまったらしい。あるいは1枚目や2枚目の軍艦に乗っている見たことのない具材がAdobe風のウニ像かもしれない。

別プロンプトをDALL-Eはどう解釈したか

では、Adobe Fireflyに与えてみた別プロンプトで、こんどはDALL-Eに投げてみよう。

1枚目は、当投稿のアイキャッチ画像と同様に「軍艦巻き」形態と「横から見ると戦艦のように見える」を高い次元で両立させてきた。ハル(船体)を見事な下窄まりに整えている。焼き海苔でその形状を実現することは難しいけれど、プロンプトに応じようとする心意気は嬉しい。

ブリッジ(艦橋)が矩形を成しているあたりも芸が細かい。その上に王冠のようなペーストが鎮座していて、練り梅のようにも見えるが、あるいはこれでウニのつもりかもしれない。「軟らかくて崩れやすい具材」と言われて工夫してみたのかもしれない。威風堂々とした旗艦の貫禄を受け止めたい。

ただし、当投稿のアイキャッチ画像にあって欠けているポイントがある。それは周辺に散らばったイクラの粒だ。当初のプロンプトで

Loose toppings that can easily topple down

リトライ版のプロンプトで

軟らかくて崩れやすい具材

と表出された要素だ。もしかすると日本語プロンプトの「崩れやすい」は「崩れやすいけれど崩れていない」方へ解釈され、英語プロンプトの「that can easily topple down」は実際に一部のイクラが「topple down」している状態の方へ解釈されたのかもしれない。

2隻め(すっかり軍艦気分)の中央にある山椒の実のような黒々とした粒は、きっと大砲の弾なんだろう。だいぶ古い時代の軍艦ですな。2隻に共通するのは、真っ白いシャリが見えていること。そのせいでAdobe Fireflyの作例にあるような嬉々としたボリューム感の「満艦飾」らしさは薄い。そして寿司らしさを強調したかったのかもしれないけどプラスチックのバレンをそんなところに挿してはイカンよ、キミたち。

ちなみに

当初の英語プロンプトを与えた際のDALL-Eの2枚目の画像は、こんなだった。

その微細なキャビア上のミクロ魚卵は、どうなってるのかしらん。

総評

今回は具象に寄ったプロンプトであったせいか、出力の結果は、プロンプトの自然文を読解する能力において秀でているところがあるらしいChatGPTのDALL-Eの方が良い印象を残したように見える。

しかしAdobe Fireflyには、プロンプト文ではなくGUIでコンテンツタイプやスタイルでパラメーターを平易に整理してくれる良さがあり、ここらへんはDALL-Eにはないポイントと言える。

機会があれば抽象度の高い単語からの生成でもDALL-Eの出力とAdobe Fireflyの出力とを比較してみたい。

Adobe Fireflyを用いた過去のアイキャッチ作例

惨めな人。自分のことを、ひどく情けなくあわれに感じている表情。
寧ろ鶏口と為るも牛後と為る無かれ
大きな牛の集団の末尾で後塵を拝している人と、小さな鶏の群れの先頭に立って陣頭指揮をしている人とを、比較する。
人の耳。また、人に聞かれること。ひとぎき。外聞。
巧言令色、鮮きかな仁

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