消えた「懲り性(こりしょう)」

三国から消えたことば
Easily Bored (male)

こりしょう[懲り性](名)一度で懲りてしまう性分。「—もなく」

三省堂国語辞典「初版(1960)」

欄外に補注が付されている。いわく

語義は「性懲り」と同じ。「り性」ではない

「三省堂国語辞典から消えたことば辞典」見坊行徳・三省堂編修所[編著]

いつ「消えた」ことば?

三省堂国語辞典では第二版(1974)で消えた。

用語解説:「懲り性」とその同義語、そして同音異義語

同義語

  • 性懲り

がある。

しょうこり【性懲(り)】うわべだけでなく、心の底から懲りること。「—も無く〔=いくら失敗しても(怒られても)本当に懲りないで」

新明解国語辞典「第八版(2020)」

同音異義語

  • 凝り性

がある。

こりしょう【凝(り)性】(通常は、むしろ ものぐさだが)いったん気が向いて何か始めると、十分満足出来るまで徹底的にやらなければ気が済まない性質。参照⇒「こらえ性」「飽き性」

新明解国語辞典「第八版(2020)」

横道(1)

こらえしょう【堪え性】忍耐しようとする意地。「—がない」。参照⇒「凝り性」「飽き性」

新明解国語辞典「第八版(2020)」

いよいよ厄介な(愉快な)ことになってきた気がする。

横道(2)

あきしょう【飽(き)性】何をやってもすぐに飽きて、長続きしない性質。「厭き性」とも書く。参照⇒凝り性・こらえ性。

なんとなく円環が閉じてホッとする。

講評

「凝り性」があるのに「懲り性」という言葉を使い始めた人が良くない。気が知れない。無責任だし、そのような言い回しを始めたら、誰もがどう困るか、考えたこともなかったのか。

おかげさまで「懲り性」が「きえた」のは一安心と言える。

本号のグラフィックについて

アイキャッチ画像はAdobe Fireflyに以下のプロンプトを与えて導いた。

easily bored male

なぜ「male」を付したのか。セクシズムなのか?と問われると、そうではない。

最初に与えたのは以下のプロンプトだ。セクシズム抜き。

easily bored

そしたら現れたのはなぜか女性ばかりで、しかも少し何かに倦んで眠くなった感じの人が4例ほど提案された。幾度か手を加えて再生性を試みたのだが、どうもコレというショットが得られない。どうにも本気で飽きている感じを受けない。単に眠そうなだけだった。ちょっと照れがあるのかもしれない(気は確かか)。

そこで敢えて「male」を加えたところ、アイキャッチ画像として採用するに足る、確かに飽き飽きした感じの男性が現れてきたので私も満足した、という経緯である。

選外のグラフィック紹介

髭の剃り跡の感触を自分の掌底で確認しようとする男
馬鹿者め。そんな頬杖があるものか。

生成AIが解剖学を学んだりすることが将来はあるのだろうか。

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